01
変化に強くスピード感のある開発への転換
- Y.J.
- 私がこのプロジェクトに参画したのは、スマホアプリのプログラム開発が終わりユーザーテストの段階に入ってからでした。開発は従来のウォーターフォール開発方式で行われていましたが、お客様はスマホアプリ開発がほぼ初めてということもあり、開発後半で要望や不具合が多発するということが起こりました。その後、どうにかリリースはできたものの、プロジェクトの進め方などに課題が残りました。特に、実際に動くアプリを確認できるタイミングが開発後半であったため、ユーザーから「想定していた動きと違う」や、「もっとこうしてほしい」という意見が後半に入って多発したことを問題視しました。そこで、以前から検討事項に挙がっていた、変化に強くスピード感のある開発が可能なアジャイル開発という手法に取り組むことになりました。アジャイル開発は世界標準になりつつありますが、日本ではまだまだこれからと言ったところ。当社もお客様も前例が乏しかったため、日々の業務と並行してアジャイル開発について猛勉強しました。おそらく人生で一番勉強したと思います(笑)。綿密な計画に基づいて長期間で行うウォーターフォール開発とは異なり、その時々で最適な選択をしていくアジャイル開発は「これをやればOK」ということがありません。人の動き方も、ウォーターフォール開発では、顧客、設計者、プログラマーなど、役割毎に責任を負いますが、アジャイル開発では、お客様をも巻き込み、チーム一体となってアプリケーションが最大限の価値を持つように、全員が主体的に考え行動することが求められます。私たちも常にメンバーみんなで何が正解かを考えながら取り組んでいきました。
02
チームと自分の成長がプロジェクトに作用
- Y.J.
- 「守破離」という言葉がありますが、アジャイル開発はまさにこの考え方に当てはまります。「守」で基本を取り入れ、「破」で基本をカスタマイズ、「離」で自分たち流のやり方を新たな基本として確立する。そして、もっといいやり方が見つかればその新たな基本さえも破っていくのがアジャイル開発だと言えるでしょう。そしてこれは私一人ではなくチームみんなで作り上げていくものです。チームがどんどん成長していく様を肌で感じられたのは、このような性質を持つアジャイル開発だからこそ。こんなに、チームの成長と自分の知識の高まりがリンクし、成果が出せるようになっていくのを真に実感できたのは、20年のエンジニア人生の中で初めてのことでした。――こう話すといかにも残業が多そうですが、アジャイル開発では基本的に残業は行いません。一定のペースを保ちつつ、助け合って、チームのパフォーマンスを上げていくことが大切なのです。
03
課題や改善点を模索しながらアプリを育てていく
- C.T.
- 私は現在、お客様のシステム部門の一員としてこのスマホアプリの運用・追加開発を担当しています。具体的な役割は、問題点、改善点の検証や仕様の立案、成果物のチェック、ユーザー、開発者間の意見の調整などです。追加・変更を行ったアプリ機能は3ヶ月毎にリリースを行うのですが、発生した問題への対応はもちろん、改善点の検討も常に行っておりますので、その課題を解決するためにはどうすればいいかを日々考えながら業務に取り組んでいます。その結果、課題が解決した時には大きなやりがいを実感しますね。このプロジェクトに参画する前は開発者として作る側の立場でシステム開発に従事していましたが、自分がこうして仕様を決めて開発を依頼する側の立場になるのは今回が初めてのこと。立場も違えば開発手法も異なる環境ですから、すぐには馴染めず、初めはまさに勉強漬けの毎日でした。その甲斐あって、今ではお客様の職場でアジャイル勉強会を主催するまでになりました。苦労はしましたが、こうして新しいことを学ぶ機会に恵まれたことにはむしろ感謝しています。
04
スキルよりも挑戦することが大事
- C.T.
- 決まった作業、決まったゴールに向かって開発していくウォーターフォール開発とは異なり、スピード感を持って変化に対応していくアジャイル開発の場合は何でも自分の頭で考えながら主体的に取り組んでいく必要があるため、時にはプレッシャーを感じる場面もあります。でもそれを、個人ではなくチームみんなの課題として捉えて解決することが、何よりも大切です。そのため、私たちの朝会ではつねに課題提起や意見、相談などが飛び交っています。近いうちに、日本でもアジャイル開発がスタンダードになっていくでしょうし、なるべきだと思います。そして当社は一歩先を行きたいと考えています。より最適な方法を求めて検証していくことが苦にならず、意見をどんどん提案できる人にはアジャイル開発はとても合っていると思います。また、アジャイルに限らず、新しい技術にはどんどんチャレンジしていってほしいですね。